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[No.677-1]今、この経験が・・・

No.677-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
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「昨日と違って、今日は冷えますね?」
「そうですね」

座席に着くなり、隣の知らない女性に話しかけられた。
まるで知り合いかのような自然な口ぶりだ。
それは・・・不思議と僕も同じだった。

「どちらまでですか?」
「新大阪までです」
「じゃあ、一緒ですね!」

もしかして・・・
新手の“勧誘”なんだろうか?

「お仕事ですか?」
「えぇ・・・昨日から東京に出張だったので、その帰りです」

怪しげな雰囲気を感じながらも、つい正直に話してしまった。

「あなたは?」
「私は遠距離の彼に久しぶりに・・・」

なるほど、そういうことか・・・。

「明日、彼の誕生日なので」

嬉しさを隠せず、つい、話しかけてしまったのだろう。

「・・・あっ!すみません、さっきからベラベラと・・・」
「僕は構いませんよ」

ただ、本音を言えば寝かして欲しい。
でも、そう言うわけにも行かないだろう。
目が輝いているからだ。

「よかったぁ!それでね・・・」

大阪までの約2時間半の旅がこうして幕をあけた。

(No.677-2へ続く)

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