[No.675-1]忘れてたから思い出す
No.675-1
登場人物
女性=牽引役 女性=相手
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それは新聞の社説に書かれていた。
「思い出す?」
「うん・・・その行為に何か引っ掛かるものはない?」
すぐに結論を言ってしまうのはもったいない気がする。
それだけインパクトがあったからだ。
「特にないけど・・・思い出すことが何か?」
「“思い出す”ってことは?」
答えが出るまでもう少し引っ張りたい。
「・・・ってことは、思い出を持ってるから?」
思い出や思い出す行為に悪い印象を持つ人はいないだろう。
私も新聞記事を目にするまではそうだった。
「例えば今なら、卒業式のこと、思い出さない?」
「まぁ・・・そうかな」
もう少しすれば、卒業証書を抱えた学生を目にするだろう。
「4月になったらなったで・・・」
今度は着慣れない真新しい制服を着た学生で溢れ返るだろう。
「そろそろ答えを教えてくれてもいいんじゃない?」
「ごめん!ごめん!」
何かのきっかけで思い出す。
今までの話なら、卒業証書であり、真新しい制服だ。
つまり・・・。
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