[No.673-2]私たちの見出し
No.673-2
「それで、手前味噌なんだけど」
抜群のセンスを発揮した。
あまり褒めない先生が絶賛したほどだ。
「みんなは見出しの意味をよく理解してなくて」
単なるタイトルになっていた。
「ほら、見出しって、それだけで伝わるだろ?」
「うん・・・濃縮してるって感じよね」
多くの言いたいことをグッとおさえて、ギュと詰め込む。
「なんか、それも見出しっぽい!」
「・・・ところで、覚えてる?その見出し」
さすがにほんの一部しか覚えていない。
「確か・・・」
とにかく、最後は“青春”で終わる。
これだけは、ハッキリと覚えている。
「古き良き時代だったか・・・輝かしい時代だったか・・・」
こんな風なフレーズが先行したように記憶している。
「ふ~ん、なるほどね・・・」
「じゃあ・・・今の私たちに見出しを付けるとしたら?」
「えっ!?」
ある意味、試されている気がした。
センスをじゃない・・・僕たちの関係を・・・だ。
(No.673完)
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