[No.670-2]あの日に帰りたい
No.670-2
「単純にできないだけよ」
かと言って、特段努力をしていないのも事実だ。
「変なオーラでも出てるのかしら?」
「まぁ・・・それは否定できないわね」
相変わらずストレートに答えてくれる。
「もぉ!一応、気にしてるんだから・・・」
「冗談よ、冗談」
けど、あながち外れてはいない気もする。
「昔の方がもてたなんて皮肉ね」
お世辞にも“イケてない”私だった。
地味な私に彼が出来たのは不思議としか言いようがない。
「そうね・・・今は“こんなん”だけど」
「それ、どう言う意味よ!?」
いつもこんな展開になってしまう。
でも、これはこれで楽しくもある。
「昔に帰りたい?」
「・・・どうだろうね」
昔に帰りたいと思ったりはしない。
ただ、あの日に帰りたいと思ったことはある。
(No.670完)
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