[No.670-1]あの日に帰りたい
No.670-1
登場人物
女性=牽引役 女性=相手
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「また、来ちゃったわね」
今頃になると、あえて友人が口にする。
「もう、昔のことよ?」
7年前が“昔”なのかは意見が分かれるところだろう。
「けど、まだ忘れてないわけでしょ?」
「そうだけど、未練があるわけじゃないわよ」
学生時代の淡い恋だった。
「そう?私にはすごく似合いのカップルに見えたけどな」
同じクラスだったゆえに、何かと事情を知られている。
「あれから7年も過ぎてるのよ!?」
「・・・だからなに?」
こういう話になると友人の追及が激しい。
それも毎年、こんな調子だ。
「だから彼ができないんじゃないの?」
否定も肯定もしない・・・というより、自分でも分からない。
「そんなつもりはないんだけどね」
この言葉に嘘はない。
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