[No.667-2]流されている!?
No.667-2
「ほら、あれ見て・・・」
「・・・どれ?」
川の流れに乗って、スイスイ泳いでいる水鳥がいる。
「どう思う?」
友人の言いたいことは分かっている。
今は何でも仕事や社会に結び付けてしまう。
「私は無理かな・・・」
「・・・多分、私も」
なんとも不器用な私たちだ。
社会の流れに乗って、スイスイと泳げるはずもない。
「だけど、見方によっては流されてるよね?」
友人が意外な一言を投げてきた。
「・・・それもそうね」
確かに流されているように見えなくもない。
川の流れが結構早いからだ。
「もうやめようか、例えるの?」
「・・・だね!」
あらぬ不安を自ら助長してしまっている。
「ちょっと歩こうよ」
「うん!」
返事と共に重い腰を上げた、その時・・・。
視線の先に、別の水鳥の姿を見つけた。
川の流れに逆らうかのように、必死に泳ぐ二羽の水鳥を。
(No.667完)
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