« [No.666-2]気合 | トップページ | [No.667-2]流されている!? »

[No.667-1]流されている!?

No.667-1

登場人物
女性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
「卒業まで、あと少しね」

友人の口調から、それを待ち望んでいないことは分かる。

「そうだね・・・」

それは私も同じだ。
社会に出ることへの不安が日を追うごとに増して来ている。

「キラキラ輝いてるのは、川面(かわも)だけね」

何となく川辺を歩きたくなって、二人でここに来てみた。

「ほんと・・・いやみのひとつでも言いたくなっちゃうね」

川面に反射する太陽の輝きさえ素直に見ることができない。

「入社式はいつ?」
「あなたと同じ4月1日よ」

とは言え、別々の会社だ。
それに友人は、この町を出ることになる。

「そっか・・・」

別に友人としての縁が切れるわけじゃない。
でも、頻繁にはもう逢えない。

「色んな意味で不安だね」
「・・・うん」

春の暖かい日差しが、逆に寂しさを演出する。

「いいね・・・水鳥は気楽で・・・」

数羽の水鳥が、何とものんびりと泳いでいる。

(No.667-2へ続く)

| |

« [No.666-2]気合 | トップページ | [No.667-2]流されている!? »

(027)小説No.651~675」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: [No.667-1]流されている!?:

« [No.666-2]気合 | トップページ | [No.667-2]流されている!? »