[No.666-1]気合
No.666-1
登場人物
男性=牽引役 女性=相手
-----------------------------
その気になって観察すれば、結構そんな人が居る。
僕の前の人も、そそくさと整え始めた。
「昨日の試験、どうだった?」
会社に着くなり、開口一番がそれだった。
「少しは得点が上がっていると思うけど」
超スローペースだが、勉強は続けていた。
「良かったじゃない!」
「勉強の習慣も少しづつ付いてきたからな」
その結果、多少なりとも手応えを感じ始めた。
「ところでさぁ・・・ちょっと聞きたいことがあるんだけど」
「あらたまって、なに?」
昨日の試験会場での出来事だ。
試験前に、多くの女性が髪を後ろで束ね始めた。
「邪魔になるから・・・でしょ?」
確かにその通りだと思う。
束ねていたのは皆、髪がロングの人ばかりだ。
「試験って、下ばかり向いているでしょ?」
「だから、うっとうしくて」
意外と言えば意外だ。
同性として、別の理由を期待していたからだ。
| 固定リンク | 0
「(027)小説No.651~675」カテゴリの記事
- [No.675-2]忘れてたから思い出す(2016.03.18)
- [No.675-1]忘れてたから思い出す(2016.03.17)
- [No.674-2]きっかけはお風呂から(2016.03.13)
- [No.674-1]きっかけはお風呂から(2016.03.11)
- [No.673-2]私たちの見出し(2016.03.08)
コメント