[No.664-1]既読スルー
No.664-1
登場人物男性=牽引役
女性=相手
-----------------------------
この言葉はLINEと共に生まれたと言ってもいいだろう。
「急にあらたまって・・・なに?」
「いや・・・その・・・」
確かにあらたまると言い出し難い。
「ほら、LINEでさぁ・・・」
流行の言葉を借りれば、“既読スルー”をしている。
けど、本当の意味でのスルーをしているわけではない。
「・・・俺って、あまり返信しないだろ?」
「そうね、いつものことだけど」
予想はできたが、やはりそう思われていたようだ。
「気にしてないわよ・・・別に」
けど、本心はどうだか分からない。
「既読スルーしてるつもりはないんだけど・・・」
この言葉に嘘はない。
届いたLINEを無視したつもりも放置したつもりもない。
「たわいないことばかりだから、返事しにくいんでしょ?」
「えっ・・・あっ、うん」
あまりにも的を得たセリフに、つい本音がもれてしまった。
| 固定リンク | 0
「(027)小説No.651~675」カテゴリの記事
- [No.675-2]忘れてたから思い出す(2016.03.18)
- [No.675-1]忘れてたから思い出す(2016.03.17)
- [No.674-2]きっかけはお風呂から(2016.03.13)
- [No.674-1]きっかけはお風呂から(2016.03.11)
- [No.673-2]私たちの見出し(2016.03.08)
コメント