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[No.663-2]かみのお告げ

No.663-2

「そう思うと・・・ね」
「・・・そうね」

たかがゴミひとつでも、少し寂しい気分になった。

「あっ!もちろん、今日は拾ったわよ」
「えらい!」

さすがに素通りは出来なかった。

「出来そうで出来ないことよ、案外」

けど、褒められても複雑な心境だ。

「とにかく今度から足を止めるようにするわ」
「そうね・・・私も」

大袈裟だけど、それなりの覚悟は必要だ。

「でも、これってかみのお告げだったのかもしれない」
「・・・神?・・・“紙切れだけに”ってこと?」

実はゴミを拾った瞬間に、あることを思い出した。

「昨日、帰る間際に・・・」

資料を一枚印刷した。
それを、とり忘れていたことを思い出した。

「内容が内容なだけに大急ぎで回収したわ」

紙を拾い、恐れながら神に拾われたのかもしれない。
S663
(No.663完)
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