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[No.663-1]かみのお告げ

No.663-1

登場人物
女性=牽引役  女性=相手
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戻ろうと思えば戻れる。
でも、足が止まらなかった。

「・・・ゴミ?」
「うん、昨日帰ろうとしたら」

廊下の真ん中に紙切れが落ちていた。
そこそこ目立つ大きさだった。

「私は気付かなかったけど・・・」

建物の外に出る通路はいくつかある。
それにゴミが落ちた時間にもよる。

「・・・私はね、気付いたんだけど・・・」

急いでいたこともあり、拾えなかった。
いや・・・正確に言えば拾わなかった。

「なんか、それにすごく罪悪感を感じてさぁ」

それこそ、見て見ぬふりをした。

「ただ・・・ね」

今日もそのゴミがそこにあった。

「・・・誰も拾わなかったんだ?」
「人のことは言えないけど・・・そうみたい」

私が帰った後も大勢の人がそこを通ったはずなのに。

(No.663-2へ続く)

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