[No.662-2]そんな関係
No.662-2
「彼と水族館に行ったのね」
(ん・・・彼なんて居たっけ?)
「夢だから、“彼”は知らない人だったけど」
夢ではよくある話だ。
「で、帰ろうとしたら何か怪獣みたいなのが襲ってきたの」
「水中から・・・」
突拍子もない展開が実に夢らしい。
ある意味、安心して聞いていられる。
「それで、あなたがそいつに足蹴り!ってわけね」
「うん、だって彼の足に喰らいついてきたんだもん!」
現実世界と変わらない勇敢さだ。
「夢中で何度も何度も足蹴りにしたわ!」
女子らしからぬ行動も彼を思ってのことだろう。
「それで怪獣は?」
「もちろん撃退したわよ!こてんぱんにね!」
怪獣が弱いのか、友人が強すぎるのかは聞かないでおこう。
「それで体が動いちゃったんだ?」
「うん、それで隣に寝ていた彼を何度も蹴ってたみたい」
彼にしてみれば、そりゃ、災難もいいところだ。
・・・あれ?
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