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[No.661-2]未来を覗く

No.661-2

「結構、悩んでたよね?」

バケツのような入れ物にそれがいくつか入れられていた。

「結構、種類があるみたいね・・・」

パッケージの色が異なっている。

「だからどれにしようか迷ってたんだ」
「・・・多分、買えるのはひとつだろうから」

どうしても自分の小さい頃と重なってしまう。
私もよく迷っていたからだ。

「小さい頃はみんなそうなんじゃない?」
「小銭握りしめてさぁ・・・」

子供の頃の方がお金の有難味を知っていた・・・。
それは今の私たちを見れば分かる。

「それサプリメント?」
「あなたこそ・・・」

それに、化粧品も買うつもりだった。
春に向けた新作を・・・。

「まだ、前のが残ってる」
「・・・私も」

なんだか、自分の行動が恥ずかしくなってきた。

「女の子・・・嬉しそうね」
「やっぱり、お母さん、居たね!」

母親と手を繋ぎレジに並ぶ女の子に教えられた。
S661
(No.661完)
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