[No.659-2]初夢
No.659-2
「えっ!?大変な事実?」
年が変わったこともあり、カレンダーをめくった。
その時、あることに気付いた。
「え・・・なに・・・」
「・・・1928年1月のカレンダーだったの」
和暦で言えば、実に昭和3年だった。
「それ、冗談のつもり?」
もちろん両親に確認した・・・何かの冗談なのかと。
「でもね、逆にポカ~ンとされたの」
「それで慌てて、新聞やスマホを見てみたら」
全て1928年だった。
「違和感の正体・・・これだったのだと思う」
それに今流れているニュースも変だ。
ニュースによれば瞬間移動装置の故障が相次いでいるらしい。
「ねっ!絶対変でしょ?」
「変なのはあなたの方よ、実際、その装置はよく故障するもん」
「え・・・なに言ってるのよ・・・」
友人までがおかしなことを言うようになった。
「それに今日は1928年1月3日でしょ?」
「ちょ、ちょっと冗談はやめてよ・・・あ・・・あれ・・・意識が・・・」
1928年のはずがない・・・いつもの風景と変わりはないからだ。
例の装置のことは別にしても。
遠のいて行く意識の中で、そんなことを考えていた。
「・・・う、ううん・・・ん・・・あれ・・・ハッ!」
(No.659完)
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