[No.658-2]うちのタマ知りませんか?
No.658-2
「でもさぁ、どうして紙袋なの?」
「・・・逆にその方が“ダサい”ような気もするけど」
確かに今はそう思う。
紙袋と言っても、今のようなおしゃれなものじゃない。
「理由は分からない」
「誰かが始めたのをマネたんじゃないかな?」
気付けば誰もが紙袋を提げていた。
「けど、あまり丈夫じゃなくて」
教科書も束になると重い。
そうこうしている内に、底が破けてくる。
「だから、面倒だけど頻繁に交換しなきゃダメなんだよね」
そんな時、ある紙袋に出会った。
「それが・・・これなの!?」
「うん、今でもキャラクターが残ってると思わなかったよ」
洒落じゃないが、“たまたま”ネットで見掛けた。
「当時は世の中に出たばっかりの頃だと思う」
それでも多少、注目の目を集めた。
もちろん、そんな狙いは無かった。
「自分で買ったの?」
「いや、彼女からのプレゼント・・・も、もちろん当時の!」
| 固定リンク | 0
「(027)小説No.651~675」カテゴリの記事
- [No.675-2]忘れてたから思い出す(2016.03.18)
- [No.675-1]忘れてたから思い出す(2016.03.17)
- [No.674-2]きっかけはお風呂から(2016.03.13)
- [No.674-1]きっかけはお風呂から(2016.03.11)
- [No.673-2]私たちの見出し(2016.03.08)
コメント