[No.658-1]うちのタマ知りませんか?
No.658-1
登場人物男性=牽引役
女性=相手
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なぜ、そうなったのか、理由は分からない。
“流行だったから”としか、記憶に残っていない。
「紙袋?」
「そう・・・当時の流行は」
学生だった頃、紙袋が流行った。
カバンの代わりとして。
「一応、指定のカバンは持ち歩いてるんだけど」
中身はほぼ入っていない。
そのほとんどは紙袋に入れてある。
「・・・どうして?」
「教科書とか入れてるとカバンが膨らむだろ?」
つまり、その分だけ、カバンが分厚くなる。
それは当時、“ダサい”とされていた。
「ほら、なんか優等生っぽくてさぁ・・・」
中身が詰まっているからと言って優等生とは限らない。
ただ、そう思わせるものはあった。
「実際、近くに進学校があったので」
版で押したように、皆カバンは分厚かった。
「その反発心もあったんじゃないの?」
「・・・まぁ・・・ね」
多少はないとも言い切れない。
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