ホタル通信 No.269
小説の舞台裏やエピソード、作者の想いを紹介します。
小説名:No.322 英国屋
実話度:★★★☆☆(60%)
語り手:男性
とあるカフェ・・・説明する必要もなく英国屋です。正しくは“英國屋”ですね。
舞台となっているのは、大阪市内のとある英国屋です。
もちろん、今も存在しています。そこで何があったのかは小説に書いてある通りで、衝撃的なことを色々と聞かされました。
今の時代、離婚のひとつやふたつ、大した出来事ではないのかもしれませんが、微塵もそんなことを感じることができなかったので、かなり驚いたのを覚えています。
でも、そんなことがあったにもかかわらず、その場所の存在を完全に忘れていました。ですから、その英国屋を目にした時もかなり驚きました。
この小説はそんな瞬間を描いたものです。想い出の中の“彼女”は、冬のホタルの主人公とも言えるあの彼女です。
相手の過去を知ることはある意味、秘密を共有したようでもあり、ふたりの距離がグッと縮まった気がしていました。
でも、小説の通り、それは逆効果でした。
お互いの想いが大きくなればなるほど、距離は縮むどころか、離れて行きました。ふたりとも、そこから先には進めない立場にあったからです。
今では良い想い出・・・と、清々しく言える立場ではありませんが、苦しくも儚い時間を共有できたことに感謝しています。
今の自分が、かくもこうして小説を書いているのも、彼女の存在があったからです。
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