« [No.659-2]初夢 | トップページ | [No.660-1]呼び捨て »

ホタル通信 No.269

小説の舞台裏やエピソード、作者の想いを紹介します。

小説名:No.322 英国屋
実話度:★★★☆☆(60%)
語り手:男性

とあるカフェ・・・説明する必要もなく英国屋です。正しくは“英國屋”ですね。

舞台となっているのは、大阪市内のとある英国屋です。
もちろん、今も存在しています。そこで何があったのかは小説に書いてある通りで、衝撃的なことを色々と聞かされました。
今の時代、離婚のひとつやふたつ、大した出来事ではないのかもしれませんが、微塵もそんなことを感じることができなかったので、かなり驚いたのを覚えています。

でも、そんなことがあったにもかかわらず、その場所の存在を完全に忘れていました。ですから、その英国屋を目にした時もかなり驚きました。
この小説はそんな瞬間を描いたものです。想い出の中の“彼女”は、冬のホタルの主人公とも言えるあの彼女です。

相手の過去を知ることはある意味、秘密を共有したようでもあり、ふたりの距離がグッと縮まった気がしていました。
でも、小説の通り、それは逆効果でした。
お互いの想いが大きくなればなるほど、距離は縮むどころか、離れて行きました。ふたりとも、そこから先には進めない立場にあったからです。

今では良い想い出・・・と、清々しく言える立場ではありませんが、苦しくも儚い時間を共有できたことに感謝しています。
今の自分が、かくもこうして小説を書いているのも、彼女の存在があったからです。
T269
web拍手 by FC2

| |

« [No.659-2]初夢 | トップページ | [No.660-1]呼び捨て »

(102)通信No.201~300」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ホタル通信 No.269:

« [No.659-2]初夢 | トップページ | [No.660-1]呼び捨て »