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[No.657-2]LINEの涙

No.657-2

(間違いない)

相手は恐らく彼氏だろう。
どんな話をしていたのかは想像はできる。
それが今、途絶えたのだ。

(どうしよう・・・)

つい見ず知らずの女性に情が移ってしまった。
鼻をすする音は、完全に泣き声に変わった。
ただ、隣に居ないと分からないレベルの声だ。

そうこうしている内に、目的の駅が迫ってきた。
彼女のスマホを握り締める手にも力が入っている。

(・・・ええぇい!こうなったら)

「が、ん、ば、れ・・・」

空に向かって独り言のようにつぶやいてみた。
丁度、目的の駅にも到着した。

「・・・ありがとう」

僕が席を立つ瞬間、小さな声が背中越しに聞こえた。
S657
(No.657完)
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