« [No.656-2]イニシエーション・ラブ | トップページ | [No.657-2]LINEの涙 »

[No.657-1]LINEの涙

No.657-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
(泣いてるのかな?)

小刻みな鼻のすすり方が妙に気になり始めた。
最初は、風邪でも引いているのかと思っていた。

(覗き込むわけにもいかないし・・・)

髪の毛が丁度、顔を塞ぐように垂れている。
彼女が下を向いているからだ。
正確に言えば、手に持っているスマホの画面を見ている。

(気になるな)

小さくとも鼻をすする音が電車内でも聞こえる。
なにせ、隣同士だからだ。
とは言え、たまたま乗り合わせたに過ぎないが・・・。

(もしかして・・・)

ある確証が出始めてきた。
彼女はLINEをしている・・・。
それが目にチラッと入ってきたからだ。

けど、ほどなくして彼女の手が止まった。
一瞬だけ漏れた嗚咽のような声と共に・・・。

(No.657-2へ続く)

| |

« [No.656-2]イニシエーション・ラブ | トップページ | [No.657-2]LINEの涙 »

(027)小説No.651~675」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: [No.657-1]LINEの涙:

« [No.656-2]イニシエーション・ラブ | トップページ | [No.657-2]LINEの涙 »