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[No.655-1]どんぐり

No.655-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
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「・・・あっ」

思わず声が出るほど、足元から嫌な感覚が伝わってきた。

「やだ・・・汚い」
「違う!違う!アレじゃない・・・」

当然ながら勘違いしている。

「じゃぁ・・・なによ?」
「どんぐりだよ、どんぐり!」

通学途中の道に、大量のどんぐりが落ちていた。
もちろん、木に実っていたものだ。

「それを踏んづけちゃったんだ」

あれだけ大量に落ちていると、踏んづけない方が難しい。

「・・・と、言う話・・・」

彼女が不服そうな顔をしている。
まぁ、予想は出来た。

「わざわざする話?」
「季節感があって、いいじゃん」

少し前は、アレじゃないけど、似たものを踏んづけていた。
アレと同じ臭いがするものを・・・。

「・・・と言うのもあるけど、小さい頃にな」

どんぐりにはちょっとした想い出がある。

(No.655-2へ続く)

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