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[No.654-2]おばあちゃんの記憶

No.654-2

「・・・でさぁ・・・」

思い出すのは、嫌な記憶だ。

「嫌な記憶?」

ただ、おばあちゃんがその原因だったわけじゃない。

「あぁ・・・結構、わがまま言ってた」

朝食がどうとか、あれがどうしたとか・・・。

「甘えているようで、甘えていないような」

母親が居ない寂しさをぶつけていたようにも思える。

「男の子って、そんなとこあるよね?」

結局、そんな思い出しか残らなかった。

「だから、申し訳ないことしたなって・・・」

そんなことを唐突に思い出した。

「たかが小学生レベルでしょ?」
「そんなの気にしてないわよ、おばあちゃんは」

そにしてもなぜ、唐突に思い出したのだろう・・・。
選んだパンをトレイに乗せながら、そんな疑問が頭をよぎった。
S654
(No.654完)
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