[No.654-1]おばあちゃんの記憶
No.654-1
登場人物男性=牽引役
女性=相手
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唐突に、あることを思い出した。
「・・・おばあちゃんの記憶?」
単に祖母の記憶というわけではない。
「小学生の時かな・・・一度だけ祖母が家に来たんだよね」
「それって珍しいこと?」
そう聞かれるのも当然だろう。
「いつも、僕が祖母の家に行ってたんだ」
夏休みになると、家族と共に訪れていた。
それは親戚も同じだった。
「だから、家に来ることはなかったんだよね」
逆にそこに居なくてはならなかった。
「ところで来た理由は覚えてる?」
「もちろん!」
来た理由どころか、その時の光景が目に浮かぶほどだ。
「母が病気で数日間、入院したので」
「・・・代わりで」
つまり、母の代わりに僕たちの面倒を見てくれた。
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