[No.649-2]○○が結んだ縁
No.649-2
単なるハプニングだったはずだ。
そこに、隠し事などが入り込む余地はない。
「・・・えっ、なに!?」
「言っとくけど、ワザとやったわけじゃないからね!」
言い放ったのには理由がある。
結果的に、これがきっかけで彼と付き合うようになったからだ。
「それは分かってるさ」
一応、告白は彼がしてきた。
「それで、話してないことって?」
「そもそもさぁ・・・変だと思わない?」
「えっ・・・やだぁ・・・そんな季節は終わったよ・・・」
何となくホラーっぽい展開だ。
彼の表情も怪しげだ。
「いくら横を通り過ぎたからって、手が当たると思う?」
「・・・言われてみれば・・・」
小川沿いの道は十分過ぎるほど道幅がある。
それに、人通りだってたかが知れている。
「ど、どういうこと!?」
「・・・あの日な・・・」
彼があの日のことを話し始めた。
「・・・私の目の前に行こうとしてた!?」
「あぁ、今日こそは告白しようと思って」
聞けばその瞬間に私の手が飛んできたらしい。
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