« ホタル通信 No.263 | トップページ | [No.648-2]月の欠片 »

[No.648-1]月の欠片

No.648-1

登場人物
女性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
「・・・あれ?」

友達が不思議そうな声を上げる。

「どうしたの?」
「ほら、見て・・・」

そう言うと視線の先を指差した。
それが何であるか、言わずとも分かる。

「わぁ・・・なんか幻想的な三日月ね」

いつも目にしている色とは明らかに異なる。
ある意味、神々しくもあり、妖艶でもある。

「見方によっては恐くも見えるね」

それこそ、天変地異の前触れのようにも見えなくもない。

「ううん、違うの・・・月は月なんだけど・・・・」
「違うの!?」

友達が状況を説明し始めた。

「ほら、少し前まではこっちにあったじゃん、月が」
「・・・確かに」

正門を正面だとすると、左手側にあった。
それが今は右手側にある。

「けど、月ってそんなものよね?」

天体には詳しくないけど、その程度なら知っている。

(No.648-2へ続く)

| |

« ホタル通信 No.263 | トップページ | [No.648-2]月の欠片 »

(026)小説No.626~650」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: [No.648-1]月の欠片:

« ホタル通信 No.263 | トップページ | [No.648-2]月の欠片 »