[No.644-1]ちいさなしあわせ
No.644-1
登場人物
男性=牽引役 女性=相手
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恐らく本人は“気付いて”いないのだろう。
回りが“気付いて”いることを・・・。
「・・・もしもし?」
「あっ・・・ごめん!気付かなくて・・・」
相変わらずスマホに夢中だ。
「まぁ、暇つぶしにはいいだろうけど」
気付かなかったことに対して、とやかく言うつもりはない。
むしろ、早く来ていることを褒めるべきだろう。
それよりも・・・。
「なぁ・・・知ってる?」
「なにを?」
彼女に声を掛ける前に、数分だけ遠くから観察した。
「スマホいじってる時の自分の顔だよ」
「うそぉ!!・・・・そんなに私、ブサイク!?」
「いや、そうじゃなくてさぁ・・・」
なにも彼女だけに限ったことではない。
「結構、ニヤついていたぞ」
「えっ!ほんとに!?」
スマホで何を見ていようが、そんなことに興味はない。
それに、怒った顔や渋い顔で見ているよりは格段にマシだ。
「秋のスイーツ特集を見てたらさぁ」
確かに季節がら、表情も緩みがちになるだろう。
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