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2015年11月

[No.651-2]悔しいから悔しいけど

No.651-2

「だから、大変なの・・・」

とっくに怒りは収まっている。
後は歩み寄るタイミングだけの問題だ。

「・・・頑固者同士は」

お互い相手が折れるのを待っている。

「彼が謝ってきたら許すつもり」

だからこそ、仲直りにまで進展しない。
平行線のままだ。

「原因がどうであれ、自分から謝っちゃえば?」
「それができたら苦労しないの!」

今回は特に長引きそうな予感がする。

「・・・全く困った人たちね」

友人も呆れ顔だ。

「最悪、このままだったらどうするつもり?」
「そ、それは・・・」

別れたいとは思っていない。

「寂しいクリスマスになるわよ?」
「・・・にしては、うれしそうな顔してるじゃん!」

“悔しい”から、“悔しい”けど彼に歩み寄ることにした。
S651
(No.651完)
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[No.651-1]悔しいから悔しいけど

No.651-1

登場人物
女性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
それはあるテレビCMのセリフだった。
私の場合、石と言えば良いのか、鉄と言えば良いのか・・・。

「まだ喧嘩中なわけ?」
「・・・そうね」

彼と喧嘩の真っ最中だ。

「仲直りできそう?」
「どうだろう・・・」

これが初めての喧嘩じゃない。
だからこそ、仲直りできるかどうか分からない。

「お互い頑固だからね」

歩み寄りたい気持ちがないわけじゃない。
けど、自分からはそうしたくない。

「相手が折れるのを待っているってこと?」
「うん・・・そう」

喧嘩の原因を作ったのは彼だ。
だから、彼が折れるべきだ。

「・・・と、彼も思ってるんじゃない?」
「喧嘩の原因はお互い“相手”にあると思ってるだろうから」

友人の発言は的を得ている。
なぜなら、今まさにその通りだからだ。

(No.651-2へ続く)

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[No.650-2]私の経験

No.650-2

「だって・・・私も経験あるから」

それもつい数日前の出来事だった。

「ほんと迷惑な話だよね」
「う、うん・・・」

ただ、私は迷惑を掛けられたのではなく、掛けた方だ。

「掛けた方?」
「うん、私もこれと同じことしちゃったの」

ゴミ箱を見つけて、これ幸いと思い、コップを捨てた。
けど・・・。

「取り出そうと思っても取れなくて・・・」

強引に押し込んだら余計にどうにも出来なくなった。

「だから、人のこと言えないね」

たかが・・・と思う以上に、罪悪感が残る。

「そんなことないさ」
「だって、黙ってたら分からなかったことだろ?」

そう・・・不思議と正直に話したくなった。

「とにかく・・・まずはこれを何とかするか!」
S650
(No.650完)
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[No.650-1]私の経験

No.650-1

登場人物
女性=牽引役  男性=相手
-----------------------------
「何だよ、これ・・・」

空き缶専用のゴミ箱がある物でふさがれている。

「・・・コーヒーのコップ?」

流行のカフェで使われている透明のコップだ。
最近は、コンビニでもよく見かける。

「みたいだね」
「これじゃ、捨てられないだろ!」

空き缶を入れる穴に、引っ掛かっている状態だ。

「最後まで入れられなかったんだよ」
「・・・最初は入るんだけどね」

簡単に言えば、コップは台形を逆さにした形だ。
底の方から穴に入れるとスンナリ入る。

「で、もう一息の所で引っ掛かるんだよね」

そうなる押すに押されず、引くに引けず・・・。
結果、どうしようもなくなる。

「・・・やけに詳しくない?」
「というより、なんか話がリアルじゃない?」

そう言われるのも当然だ。

(No.650-2へ続く)

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ホタル通信 No.264

小説の舞台裏やエピソード、作者の想いを紹介します。

小説名:No.214 ワン切り
実話度:★★★☆☆(60%)
語り手:女性

今回の実話度は、衝撃度から見て少しパーセンテージを
上げてみました。

二人の会話は実際には行われていません。存在する事
実は“しばらく繋がらなかった番号に繋がってしまった”と
いうことだけです。
ただ、そのインパクトがかなり大きく、小説にも書いてある
通り、パニックに陥りそうになりました。

“元彼”と連絡が取れなくなった・・・正確に言えば、“彼”と
連絡が取れなくなりました。つまり、まだ付き合っている最
中に、連絡が取れなくなったわけです。
そこに至るまでの過程は割愛しますが、そうなる理由に心
当たりがないわけではありません。

ある日、何気なく元彼の電話番号を押してみました。
登録されている電話番号を整理するために、最後の確認
の意味で押したのが本音で、そこに何ら期待をしていませ
んでした。そこへ来て、呼び出し音が鳴り始めたものです
から、驚きは半端なものではありませんでした。
ただ、小説にも書いた通り、冷静になってみれば誰かがそ
の番号を引き継いだと考えるのが自然です。

それ以来、電話を掛けてみたことは一度もありませんし、
今後も掛けるつもりはありません。全く知らない人に、繋が
ってしまうはずですから・・・。
でも、スマホの中には今でも番号が残っています。
T264_2

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[No.649-2]○○が結んだ縁

No.649-2

単なるハプニングだったはずだ。
そこに、隠し事などが入り込む余地はない。

「・・・えっ、なに!?」
「言っとくけど、ワザとやったわけじゃないからね!」

言い放ったのには理由がある。
結果的に、これがきっかけで彼と付き合うようになったからだ。

「それは分かってるさ」

一応、告白は彼がしてきた。

「それで、話してないことって?」
「そもそもさぁ・・・変だと思わない?」
「えっ・・・やだぁ・・・そんな季節は終わったよ・・・」

何となくホラーっぽい展開だ。
彼の表情も怪しげだ。

「いくら横を通り過ぎたからって、手が当たると思う?」
「・・・言われてみれば・・・」

小川沿いの道は十分過ぎるほど道幅がある。
それに、人通りだってたかが知れている。

「ど、どういうこと!?」
「・・・あの日な・・・」

彼があの日のことを話し始めた。

「・・・私の目の前に行こうとしてた!?」
「あぁ、今日こそは告白しようと思って」

聞けばその瞬間に私の手が飛んできたらしい。

「だから、告白する前にフラれたのかと思ったよ」
S649
(No.649完)
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[No.649-1]○○が結んだ縁

No.649-1

登場人物
女性=牽引役  男性=相手
-----------------------------
「うっとおしいけど、思い出すよね」

その言葉通りのことが一年前に起きた。

「・・・これ?」

一見すると何も居ない空中を指差す。
正確に言えば“こいつら”だ。
何百匹・・・いや、それ以上の数かもしれない。

「うん・・・一応、こいつらが結んだ縁じゃない?」

一年前、いつも通り、学校に続く小川沿いの道を歩いていた。
そして今と同じように、こいつらが飛び交っていた。

「ハプニングの産物だけどね」

こいつらの正体は春と秋に大量発生する、蚊のような虫だ。

「・・・痛かったでしょ?」

その虫をはらうために、手を振り回していた。

「まぁ・・・それなりに」

その手が、通り過ぎようとしていた彼の顔を直撃した。

「ほんとゴメンネ」

お互い徒歩だったので、幸いにもケガには至らなかった。

「でも、すごくビックリしたんだから」

まさかそんなことになろうとは思っても見なかったからだ。

「それは僕だって同じだよ」
「ただ・・・そのことで話してないことがあるんだ」

(No.649-2へ続く)

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[No.648-2]月の欠片

No.648-2

「そうだけど・・・来年はふたりで見ることもないでしょ?」
「あっ・・・」

確かにそうだ。
来年の春にはふたりとも卒業してしまう。

「部活でいつも遅かったから・・・」
「・・・太陽よりも見ていたはずよ」

3年間、それこそ1日も休まずに部活を続けた。
それは友達も同じだった。

「それはそうね」
「だけど、私たち下ばっかり、向いてなかった?」

不甲斐なさに涙に暮れる日が少なくなかった。

「それは、あんたじゃん!」
「なに言ってんのよ!そっちこ・・・あはは」

言い終える前に笑い声に変わった。

「あはは・・・」

どちらでもない・・・お互いさまだ。

「知らないうちに、時間は流れてたのね」

苦しくも楽しい時間が永遠に続くと思っていた。

「ちょっと遠回りして帰らない?」

月の欠片を探しに・・・。
S648
(No.648完)
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[No.648-1]月の欠片

No.648-1

登場人物
女性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
「・・・あれ?」

友達が不思議そうな声を上げる。

「どうしたの?」
「ほら、見て・・・」

そう言うと視線の先を指差した。
それが何であるか、言わずとも分かる。

「わぁ・・・なんか幻想的な三日月ね」

いつも目にしている色とは明らかに異なる。
ある意味、神々しくもあり、妖艶でもある。

「見方によっては恐くも見えるね」

それこそ、天変地異の前触れのようにも見えなくもない。

「ううん、違うの・・・月は月なんだけど・・・・」
「違うの!?」

友達が状況を説明し始めた。

「ほら、少し前まではこっちにあったじゃん、月が」
「・・・確かに」

正門を正面だとすると、左手側にあった。
それが今は右手側にある。

「けど、月ってそんなものよね?」

天体には詳しくないけど、その程度なら知っている。

(No.648-2へ続く)

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ホタル通信 No.263

小説の舞台裏やエピソード、作者の想いを紹介します。

小説名:No.212 片付かないもの
実話度:★★☆☆☆(40%)
語り手:女性

小説では彼が進学のため引っ越すことになっていますが
現実での理由は違います。

また、本当は立場も反対で、小説上の私が転勤のために
引っ越すことになりました。従って、小説を読み直して頂く
際は、立場を入れ替えてみて下さい。
ただ、会話については事実と創作が入り乱れていますの
で、実話度は抑え気味にしています。

実話をベースにした話のわりには、アイデア的に良い感じ
で話を終えることができました。つまり、ラスト付近はほぼ
創作になります。
最初から荷物の整理と見せ掛けて心の整理・・・の流れは
考えていませんでした。あくまでも実話である引っ越し、荷
物の整理を主軸として描いていました。

とは言え、その背景に、彼との微妙な関係があったことで
荷物の整理と気持ち、心の整理を引っ掛けることを思い付
きました。実際に会話はありませんでしたが、微妙な関係
だっただけに、そんな雰囲気はあったんですよ。
その一言を言ってしまおうか・・・でも、言ったら始まるのか、
終わるのか・・・結局、言えずじまいでした。
T263

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[No.647-2]カピカピ

No.647-2

「それにしても・・・」
「なに?」

時より感心することがある。
これ以上ないと思えるほど、ピッタリの擬音があることだ。

「ほら、カピカピって言葉」

擬音はあえて説明を加えないほうが良い。
言葉の響き自体が大切だからだ。

「乾いた鼻水をうまく表現してるよな」
「・・・そう言えばそうね」

カサカサでもピカピカでもない。
言葉的にも見た目的にも丁度、その中間を行く。

「まさしく、このために生まれて来・・・」
「どうしたの?話の途中で」

フッと気付いたことがある。

「でもさぁ、普通、鼻水がどうこう・・・って言う?」
「言わないと、かわいそうじゃん」

そうは言っても、見て見ぬふりがほとんどだろう。

「なんか、ひょうひょうと言うよね?」
S647
(No.647完)
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[No.647-1]カピカピ

No.647-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
その言葉に漢字があるとは知らなかった。
単に擬音だと思い込んでいた。

「やだぁ・・・カピカピになってるじゃん!」
「・・・えっ!?」

同僚の女子社員が僕の顔を指差した。

「な、なにが?」
「鼻水・・・」

言われて気付いた。
そう言えば、ここ数日鼻水が止まらない。

「ご、ごめん!風をひいてて・・・」

熱っぽさもなくはない。

「・・・が乾いて、カピカピになっているわよ」
「そうなの!?」

思わず、鼻を手で擦った。
確かに・・・そんな感触がある。

「鼻水が出てるのに、そのままにしてるからよ」
「・・・そうみたい」

でも、知っててそうしたわけじゃない。
あくまでも無意識であり、気付けなかっただけだ。

(No.647-2へ続く)

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[No.646-2]もがく先には

No.646-2

「しばらくは寮に住んでたんやけど」

専門学校に通っていた時期もあるらしい。

「けど、そこも居づらくなって」
「だから、あの人のところへ転がり込んだ」

もちろん“あの人”を知っている。
面識はないが、少なくとも良い印象は持っていない。

「家に戻ることは?」
「もう・・・二度とないやろな」

ただ、不思議と母親を憎む言葉を聞いたことはない。

「まぁ、ウチは生きてるわけでもなし・・・」
「死んでるわけでもなし・・・中途半端な存在やね」

すぐには彼女の言っていることが理解できなかった。
けど、後からジワジワと込み上げてくるものがあった。

「そっか・・・」

適当な言葉が見当たらない。
彼女の前ではどんなに気の利いた言葉でも軽く感じられるからだ。

「そんなウチでも幸せになれるんかなぁ・・・」

誰に向かって言ったわけでもないセリフだった。

その記事を読めば読むほど彼女と境遇が似ている。

「彼女も懸命にもがいてたよな・・・」

その先に決して光が見えなくとも・・・そして、この僕も。S646
(No.646完)
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[No.646-1]もがく先には

No.646-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
とある新聞記事に目が留まった。
その記事の内容が他人事とは思えなかったからだ。

「それって、家を飛び出したってこと?」
「そやね」

特に表情を変えずにサラッと言われた。

「もう、かれこれ5年になるかな」
「・・・」

つい逆算してしまう。

(そうなると・・・)

「そう・・・高校を卒業したら、すぐって感じやね」

どうやら見透かされていたようだった。

「家に居場所なんかなかったし、それに・・・」
「・・・それに?」

彼女の表情がこわばる。
でも、ほどなくして穏やかな表情に変わった。

「母親の・・・罵声も耐えがたかったし」

“罵声”の前に、少しだけ間があった。
恐らく言葉を選んだのだろう。

「そうなんだ・・・」

彼女が育った家庭環境は薄々知っていた。
会話の端々に、それを匂わせるキーワードがあったからだ。
そう考えると、罵声以上のものがそこにはあったはずだ。

(No.646-2へ続く)

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ホタル通信 No.262

小説の舞台裏やエピソード、作者の想いを紹介します。

小説名:No.344 時計
実話度:★☆☆☆☆(20%)
語り手:女性

とある想い出を語り合うパターンの小説ですが、読み返し
て見ると、あらためて懐かしさが込み上げて来ます。

まず実話度ですが、想い出自体は事実に基づいて構成
されていますが、それを二人で語り合うことは創作です。
従って、全体的には事実の部分が多いのですが、あくま
でも実話度は「現実に会話が行われたか?」をベースに
していますので、20%と低めです。

さて、当時は待ち合わせで、もめた記憶がありません。
小説にも書いた通り、そもそも「何時に」なんてものが、
なかったからかも知れません。
みんな時計や、その代わりになるものを持っていません
でしたから、逆に「何時に」と言われてもそれに合わせる
のも困難だったと思います。
それに今思えば、真っ暗になるまで遊び、家に着いた後
に「時計を見てビックリ!」なんてこともシバシバ・・・。
待ち合わせ時間もそうですが、時間を気にせずに遊んで
いた結果なんでしょうね。

ラスト付近は昔を懐かしみながら、今、自分達が置かれ
ている状況を嘆いている・・・そんな感じです。
ただ、このままラストを迎えると、少し湿っぽくなりそうだ
ったので、ありがちですが“腹の虫”を登場させました。
ここまでの流れなら、それでも不自然さはないと考えた
結果です。
T262

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[No.645-2]子供っぽさの反対

No.645-2

「・・・あるもの?」

あえて言うなら、子供っぽさの反対を行くシロモノだ。

「自転車のハンドル・・・」
「確か当時は“アップハンドル”って呼んでたな」

それはハンドルが上に長い・・・というか高い。

「あっ・・・それ知ってる」

長さも色々あったらしく、極端に長い人もいた。

「けど、なんで子供っぽさの反対なの?」
「当時、不良グループがよく乗っててさぁ・・・」

不良・・・とは言いつつも憧れもあった。
だからこそ、なりきれない分を自転車で誤魔化した。

「僕もそこそこ長いハンドルの自転車だった」
「ベースは前のままだけど」

つまり、そんな自転車が売っているわけではない。
ハンドルだけ取り替えるのだ。

「それだけで、ワルになれた気分だったな」

けど、それもほどなくして卒業することになった。

「逆にそれが恥ずかしくなってきちゃって」

自転車だけに、僕らと共に時代を駆け抜けてきた。
S645
(No.645完)
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[No.645-1]子供っぽさの反対

No.645-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
昔の自転車が特集されている雑誌を見つけた。

「男子はよくこんなの乗ってたよね!」

スーパーカーブームの影響だったのだろうか?
車に似た装備を持つ自転車が多かった。

「だよな・・・隠しライトなんてその典型だったもんな」

収納されていたヘッドライトが操作すると飛び出してくる。
それは車そのものの機能だった。

「それに変速機も」

今で言う、オートマ車を彷彿させる作りだ。

「子供心をくすぐる機能が多かったよな」
「そうよね~自転車を囲んでワイワイ騒いでたっけ」

ただ、ブームはそんなに長くは続かなかった。
それにそれよりも早く“卒業”してしまう。

「卒業・・・する?」
「中学にあがると、さすがにそれはキツイな」

一言で言えば派手だし、子供っぽさが否めない。
例えそうではないにせよ、中学生ともなれば敬遠される。

「お洒落に目覚める・・・と言うか」
「まぁ、いわゆる思春期ってやつね」

逆にある物が、ちょっとしたブームになった。

(No.645-2へ続く)

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[No.644-2]ちいさなしあわせ

No.644-2

「ほら、今だって・・・」

待ち合わせ場所は、そんな人で溢れかえっている。

「それだけ幸せってことじゃないの?」
「なに見ているかにもよるけど・・・」

彼女の場合は、“食”だった。
人によっては、彼氏や彼女とLINEしているのだろう。

「・・・かもしれないね」

一昔前なら、在り得ない光景だ。
待ち合わせは色んな意味で緊張の連続だ。

「でも、みんな気付いていないんだよな」

おそらく本人はそんなつもりじゃないはずだ。
けど、そうさせてしまうのだろう。

「まぁ、いいじゃん!小さな幸せを噛み締めてるんだから」
「・・・だよな」

それに気付いたとしても気付かない振りも必要かもしれない。

「そうそう!」
「ところで、食べたいスイーツは決まった?」

この流れで行けば、こう聞くしかあるまい。

「えっ!いいの?」

ニヤけ顔より、満面の笑みの方が断然良いからだ。
S644
(No.644完)
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[No.644-1]ちいさなしあわせ

No.644-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
恐らく本人は“気付いて”いないのだろう。
回りが“気付いて”いることを・・・。

「・・・もしもし?」
「あっ・・・ごめん!気付かなくて・・・」

相変わらずスマホに夢中だ。

「まぁ、暇つぶしにはいいだろうけど」

気付かなかったことに対して、とやかく言うつもりはない。
むしろ、早く来ていることを褒めるべきだろう。
それよりも・・・。

「なぁ・・・知ってる?」
「なにを?」

彼女に声を掛ける前に、数分だけ遠くから観察した。

「スマホいじってる時の自分の顔だよ」
「うそぉ!!・・・・そんなに私、ブサイク!?」
「いや、そうじゃなくてさぁ・・・」

なにも彼女だけに限ったことではない。

「結構、ニヤついていたぞ」
「えっ!ほんとに!?」

スマホで何を見ていようが、そんなことに興味はない。
それに、怒った顔や渋い顔で見ているよりは格段にマシだ。

「秋のスイーツ特集を見てたらさぁ」

確かに季節がら、表情も緩みがちになるだろう。

(No.644-2へ続く)

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ホタル通信 No.261

小説の舞台裏やエピソード、作者の想いを紹介します。

小説名:No.383  雨女VS晴れ女
実話度:★☆☆☆☆(20%)
語り手:女性

最近はあまり書いてはいませんが、当ブログでは定番の
雨女(雨男)ネタですね。

いきなり手前味噌にはなりますが、他の小説よりも一般
受けしそうな感じで仕上がることが多く、この小説もなか
なか良いオチだと思っています。
実話度は雨女であるということだけが事実なので、20%
でも多いくらいでしょうか。

さて、オチの意味は分かりますか?
それほど複雑な話ではないのですが、擬音で表すとすれ
ば、一瞬「へっ!?」みたいな感じなるオチです。
少し説明すれば、雨女(小説上の私)の神通力が弱くな
っていたのではなく、晴れ女の神通力が私を上回ってい
た。だからこそ、晴れ女の力にあやかって、晴れて欲しい
“ここぞというイベント”には晴れ女を誘う。

・・・なのに、私の歓迎会には、晴れ女は呼ばれなかった。
つまり、裏を返せば私の歓迎会は“どうでもよかった”こと
になります。これがオチです。
でも、最初からオチが決まっていたのではなく、いつもの
ように何となく書き始めた上でのオチなんですよ。

手前味噌・・・と思っているのは、何の構想もなく書き始め
ても時々「!」のようなオチに行き着くことがあることに対し
てです。それに、小説は会社の昼休み時間中に1本仕上
げていますので、そのスピード感もなかなかだとは思って
います。
T261

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[No.643-2]心にシール

No.643-2

「良くカセットテープの台紙に転写したよな」

当時、音楽はレコードとカセットテープで聞く時代だった。

「もしかして、歌手名とか曲名とか?」
「何で分かったの!?」

聞き返すのも野暮だったかも知れない。
彼女とは同年代だからだ。

「だって、私もそうだったから」

手書きは手書きで味があった。
けど、シールの文字はそれだけでお洒落に見えた。

「そうそう!それにアルファベットだったからね」

残念ながら漢字はなかった。
・・・かと言って、ひらがなやカタカタでは何とも冴えない。

「そうなんだよな・・・」

つまりローマ字表記が、よりお洒落度を増すことになった。

「ただ、曲名が長いと大変でさぁ」
「だから、これが便利だと見つめていたわけね!」

当時これがあったらもっと楽だったはずだ。

「だけど、大変だったからこそ、心にも転写されてたみたいだな」
S643
(No.643完)
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