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[No.643-1]心にシール

No.643-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
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(・・・昔、これがあったら便利だったんだけどな)

仕事上、ファイルを整理しなくてはならなくなった。
そんな時、これはラベルを作るのに便利な製品だ。

「そんなに、それに興味があるの?」
「えっ!?いや、そんなんじゃなくて・・・」

マジマジとそれを見つめていたせいだろう。
同僚の女子社員から突込みが入った。

「でもさぁ、それ便利だよね?」
「あぁ、確かに」

ただ、仕事じゃなければこんなことはしないだろう。
私生活ではラベルを貼るほど、マメな性格じゃない。

「一度、貼り出すとつい何にでも貼りたくなってくるのよね!」

けど、その気持ちを理解できないわけじゃない。

「まぁね・・・僕も学生時代に少し凝ったことがあったし」
「私たちの時代に、あったっけ・・・これ?」
「いいや、無かったよ・・・だから・・・」

もちろん、ワープロさえ一般家庭には無い時代だ。

「転写シール・・・と言えばいいのかな?」

文字が書かれたシールを擦ると紙に転写される仕組みだ。

(No.643-2へ続く)

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