[No.643-1]心にシール
No.643-1
登場人物
男性=牽引役 女性=相手
-----------------------------
(・・・昔、これがあったら便利だったんだけどな)
仕事上、ファイルを整理しなくてはならなくなった。
そんな時、これはラベルを作るのに便利な製品だ。
「そんなに、それに興味があるの?」
「えっ!?いや、そんなんじゃなくて・・・」
マジマジとそれを見つめていたせいだろう。
同僚の女子社員から突込みが入った。
「でもさぁ、それ便利だよね?」
「あぁ、確かに」
ただ、仕事じゃなければこんなことはしないだろう。
私生活ではラベルを貼るほど、マメな性格じゃない。
「一度、貼り出すとつい何にでも貼りたくなってくるのよね!」
けど、その気持ちを理解できないわけじゃない。
「まぁね・・・僕も学生時代に少し凝ったことがあったし」
「私たちの時代に、あったっけ・・・これ?」
「いいや、無かったよ・・・だから・・・」
もちろん、ワープロさえ一般家庭には無い時代だ。
「転写シール・・・と言えばいいのかな?」
文字が書かれたシールを擦ると紙に転写される仕組みだ。
| 固定リンク | 0
「(026)小説No.626~650」カテゴリの記事
- [No.650-2]私の経験(2015.11.26)
- [No.650-1]私の経験(2015.11.25)
- [No.649-2]○○が結んだ縁(2015.11.22)
- [No.649-1]○○が結んだ縁(2015.11.21)
- [No.648-2]月の欠片(2015.11.20)
コメント