[No.640-1]おいしいオナラ
No.640-1
登場人物女性=牽引役
男性=相手
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かつての子供たちの間ではもはや伝説となっている。
その場所までもうすぐだ。
「なんかそわそわしてないか?」
「そ、そうかな・・・」
軽く否定したものの図星だ。
その場所に行くのは約20年振りだった。
「唐突だけど、実家から少し離れた場所にね・・・」
畑仕事用らしき納屋が建っていた。
「納屋・・・それで?」
「でね、その壁に看板が掛かってたんだ」
今ではあまり見掛けない広告の看板だ。
「もしかしてボンカレーとかの?」
「そうそう!そんな感じ」
ただ、看板はメジャーなものではなく、地元の店の広告だった。
「お米屋さんの広告なんだけど」
「珍しいとか、変わってるとか?」
「ううん・・・ごく普通」
そう・・・ごく普通の看板だ。
「そこにね、キャッチコピーみたいなのが書いてあって」
「・・・でも普通なんだよね?」
繰り返しになるが、ごく普通のキャッチコピーだ。
「うん・・・けど、正確には“普通だった”になるのかな?」
看板は、ある理由のために子供たちにイジられるはめになった。
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