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[No.636-1]遠回りして

No.636-1

登場人物
女性=牽引役  女性=相手
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時々意味もなく、気分が良い朝がある。

「珍しいじゃん、遅刻スレスレに来るなんて」
「・・・そ、そぉ、そ・・・うぅ・・・ねぇ・・・」

友人の言葉通り、スレスレで教室に飛び込んだ。
息も絶え絶えに。

「寝坊でもしたの?」
「・・・う・・・うん・・・そう・・・じゃなくて」

大分、呼吸も整って来た。

「朝起きたら・・・気分が・・・良かったので」
「気分が良い?」

友人が言いたいことは分かっている。
それなら、逆に“早く”来るんじゃないかと。

「うん、何だか良くわかんないけど」
「それで、普段より早く出かけたんだ!」

ますます、“それなら・・・”という顔をしている。

「それなら、なんで遅刻寸前になるの?」
「いつもはいないイケメンでも見つけたわけ?」

友人の言うことはもっともだ。
いつもより早く家を出て、颯爽と自転車を漕ぎ出した。
ところが・・・。

「・・・もしかして事故とかに巻き込まれたの?」
「ううん、そんなんじゃないんだけど」

いわゆるアクシデントには巻き込まれていない。
良いこと、悪いことを含めて。

(No.636-2へ続く)

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