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[No.634-1]ひとりカラオケ

No.634-1

登場人物
女性=牽引役  女性=相手
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最初は純粋に練習のつもりだった。

「どうしたの・・・風邪?」
「えっ・・・とね」

ガラガラ声で話していたら、そう言われてしまうだろう。

「・・・風邪じゃなくて」

“今の時代”なら隠す必要もないだろう。
正直に話しておこう。

「・・・カラオケ?」
「もしかして歌い過ぎってやつ?」

「う、うん・・・恥ずかしながら」

毎週木曜日は、カラオケの日と決めている。

「で、誰と?」
「・・・私ひとりで」

若干、場の空気が張り詰めたような気がした。

「そうなんだ・・・」

今やひとりカラオケは珍しくはない。
それ専門の店やブースもあるくらいだ。
ただ、市民権を得ているかは微妙なところだ。

「そんなタイプには見えないけどね」

その言葉には色んな意味が込められているのだろう。

(No.634-2へ続く)

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