[No.633-1]節目のとき
No.633-1
登場人物
女性=牽引役 女性=相手
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「あっ・・・」
「・・・あっ」
二度、声が出たのには、わけがあった。
「昨日、テレビが壊れちゃって・・・」
「それなら、メーカーにクレーム付けようか?」
今更ながら、友人の性格を知った。
「ま、待って!買ってからもう10年くらい経ってんだから・・・」
「・・・10年か」
「10年もてば良い方でしょ!」
この話はここまでにした方が良いだろう。
彼女の中では10年でも短いみたいだ。
「それより、これで何個目かな・・・」
昨日、驚きの声を二度あげた。
一回目はテレビが壊れてしまったことによる驚き。
「よく考えたら最近、物がよく壊れるんだよね」
二回目はそれが続いていることに気付いた驚きだ。
「始まりは半年前くらいかな・・・」
それからというもの、身近な物が壊れ始めた。
「・・・やだ・・・そんな季節は終わったじゃん」
クレームを付けることにはめっぽう強くても、そっち系は弱いらしい。
「うん、さすがに気持ち悪くて・・・」
少しネットで調べてみることにした。
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