[No.629-2]ラジコンカー
No.629-2
「とにかく良かったじゃん!」
「そうなんだけど・・・」
当然、外でラジコンカーを走らせた。
家の中では無理なことに加えて、もうひとつ別の理由もあった。
「お披露目というか、見せびらかす意味で・・・でしょ?」
「・・・正解」
既に持っていた近所の子らの中に、意気揚々と飛び込んだ。
そして、初走行をさせた。
「そしたら、あることに気付いて」
僕のラジコンカーはどうやら左しか曲がらない。
「壊れてたの?」
「その瞬間は、そう思ったんだけど」
よく考えれば、操作するコントローラは押しボタンがひとつしかない。
つまり、ボタンを押せば曲がる仕組みだ。
「で、みんなのコントローラを見たら」
僕と全然違った作りになっていた。
もちろん、左右どちらにも曲がれるし、バックもする。
「結構、トラウマになったよ」
「・・・かもね」
ラジコンカーを見るたびに今でもそんなことを思い出してしまう。
けど、今となっては笑い話のひとつになっている。
(No.629完)
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