ホタル通信 No.254
小説の舞台裏やエピソード、作者の想いを紹介します。
小説名:No.307 蜘蛛の糸
実話度:★★☆☆☆(40%)
語り手:女性
蜘蛛の糸が自転車に張られていたことは事実ですが、二度も張られたことは創作です。
蜘蛛の糸そのものだけでは小説になりにくいですが、そこに場所が加わると話が大きく展開してきます。
今回は自転車という思わぬ場所に糸が張られていたことが小説を書くきっかけです。いつも通り、自転車で会社に行こうとしたら・・・と言う訳です。
別に蜘蛛がかわいいとは思いませんが、けなげに糸を張っている姿を見ると、少なくとも“殺意”は芽生えません。
蜘蛛って決して害虫ではないわけですし、逆に特に家の中にいる蜘蛛って大げさですが、“家の守り神”的な存在です。
ですから、多少気持ち悪くても「殺しちゃいけない」という心理が家の外でも働いたと思っています。
冒頭記載した通り、小説では糸を二度張られていますが、事実ではありません。
どうして、二度目の展開にしたかと言えば、少しだけ罪悪感があったからです。つまり、折角の居場所を奪ってしまったことに対する“お詫び”みたいなものでしょうか・・・。
最後に話は少しそれますが、似たテーマで言えば時期的に“セミ”の季節ですね。それも、これから・・・ではなく、命が終えるほうです。ここ数年、彼らも小説のテーマを私に与えてくれてるんですよ。
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