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2015年9月

[No.635-1]忘れられない夜

No.635-1

登場人物
女性=牽引役  男性=相手
-----------------------------
「今日は、楽しかったよな!」

付き合い始めて間もない彼をドライブに誘った。
ある目的のために・・・。

「うん!」

もちろん彼は本当の目的を知らない。

「すっかり、遅くなっちゃったな」

誤解されるかもしれないが、それも計画のうちだ。
逆に遅くならないと困る。
特に日が長い夏は・・・。

「平気だから、安全運転でお願いね」
「もちろんだよ!」

ハンドルを握り直す手が頼もしくもある。

「それにしても夕焼け空が綺麗だよね」
「・・・だな」

後、1時間もすれば目的の場所だ。
その場所を通り過ぎる頃は、辺りは真っ暗になっているだろう。
それまでは“それらしく”会話をしていればいい。

そろそろ目的の場所だ。
何度も通り過ぎているから暗くても分かる。

「あれ・・・何かしら?」
「・・・ん?どうした?」

知っているのにわざとらしく前方を指差した。

「ほら、あの光・・・」

(No.635-2へ続く)

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[No.634-2]ひとりカラオケ

No.634-2

「でもさぁ、なんでひとりで?」
「最初はね・・・」

純粋に練習だった。
音痴でもないけど、高音が上手く出せない。

「お気に入りの歌が上手く歌えたらいいなぁ・・・なんて」

近所にひとりカラオケの店があったのも理由だ。

「週一で通いだしたら・・・」

いつの間にか、程よいストレス解消になっていた。

「今はそっちの方が目的かもしれない」

大きな声で好きな歌を歌う。
想像以上にスッキリすることがわかった。

「昨日は時間があったので、つい・・・」

普段よりも余計に歌ってしまった。

「へぇ~ストレスねぇ・・・」
「そりゃ、私だってそれなりにあるわよ!」

どうやらストレスとは無縁に見えるようだった。

「でもそれで解消できるならよかったじゃん!」

ただ、たまに行けない日があると、それがストレスになる。
S634
(No.634完)
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[No.634-1]ひとりカラオケ

No.634-1

登場人物
女性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
最初は純粋に練習のつもりだった。

「どうしたの・・・風邪?」
「えっ・・・とね」

ガラガラ声で話していたら、そう言われてしまうだろう。

「・・・風邪じゃなくて」

“今の時代”なら隠す必要もないだろう。
正直に話しておこう。

「・・・カラオケ?」
「もしかして歌い過ぎってやつ?」

「う、うん・・・恥ずかしながら」

毎週木曜日は、カラオケの日と決めている。

「で、誰と?」
「・・・私ひとりで」

若干、場の空気が張り詰めたような気がした。

「そうなんだ・・・」

今やひとりカラオケは珍しくはない。
それ専門の店やブースもあるくらいだ。
ただ、市民権を得ているかは微妙なところだ。

「そんなタイプには見えないけどね」

その言葉には色んな意味が込められているのだろう。

(No.634-2へ続く)

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ホタル通信 No.256

小説の舞台裏やエピソード、作者の想いを紹介します。

小説名:No.205  特別な関係
実話度:★★☆☆☆(40%)
語り手:男性

“冬のホタル”らしい作品です。発表時期はNo.205と比較的時間は経過していますが、エピソードは初期のものです。

前半はほぼ実話です。彼氏の悪口を本気で言う、彼女。
それを聞く立場の僕・・・。
その時、僕は一言で言えば「信頼されている特別な立場」の人間だと思っていました。
誰にも話せないことも含めて話してくれる・・・もしかしたら信頼以上のことが何かあるんじゃないかと期待をしていました。
小説にも書いた通り、その特別感は一種の優越感でもあり本気で「彼氏に勝った」と思っていました。前述した通り、信頼以上の期待、つまり“好意”を勝ち取ったのだと勘違することになった瞬間でもあります。

後半は創作で、前半の実話を回想する形で展開して行きます。話は反れますが、今では珍しい登場人物が3名のパターンですね。
女友達から女子の立場でアレコレ意見も貰って、色々と気付かされて行きます。創作ですからもちろんそんなやりとりは実際には行われていません。あえて“気付かされる”過程を描いてみました。
前半に登場する人物は、冬のホタルの主役と言ってもいい「せいじゅうろう」シリーズに登場する、“菜緒(なお)”なんですよ。
ただ、作者は“菜緒”なのか、“僕”なのかは想像にお任せしますね。
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[No.633-2]節目のとき

No.633-2

「で、結果は?」

目立って良いことは書いていなかった。
けど、決して“悪い”前兆ではないらしい。

「節目というか・・・何かが変わり始めてるんだって」

確かに、いくつか大きな変化が押し寄せている。
その内、いくつかはもう渦中にいる。

「それとね」

壊れた物が身代わりになっているとも書いてあった。

「へぇ~・・・身代わりね・・・」
「私の代わりに不幸をしょってくれてるんじゃないかと」

そう都合よく捉えている。

「案外、ロマンティックな話じゃない!」

実際、ことが大きくならずに済んでいる。

「それなら決まりじゃん!」
「だから、壊れた物に感謝してる」

それこそ科学的な根拠がないメルヘンやホラーの世界だ。
けど、今はそう思いたい。

「次、何が壊れるんだろうね!」
「ちょ、ちょっと・・・楽しんでない?」

本当は神妙な話にするつもりが、少し方向が変わってきた。

「だって、私の出番が増えるわけでしょ?」
S633
(No.633完)
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[No.633-1]節目のとき

No.633-1

登場人物
女性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
「あっ・・・」
「・・・あっ」

二度、声が出たのには、わけがあった。

「昨日、テレビが壊れちゃって・・・」
「それなら、メーカーにクレーム付けようか?」

今更ながら、友人の性格を知った。

「ま、待って!買ってからもう10年くらい経ってんだから・・・」
「・・・10年か」
「10年もてば良い方でしょ!」

この話はここまでにした方が良いだろう。
彼女の中では10年でも短いみたいだ。

「それより、これで何個目かな・・・」

昨日、驚きの声を二度あげた。
一回目はテレビが壊れてしまったことによる驚き。

「よく考えたら最近、物がよく壊れるんだよね」

二回目はそれが続いていることに気付いた驚きだ。

「始まりは半年前くらいかな・・・」

それからというもの、身近な物が壊れ始めた。

「・・・やだ・・・そんな季節は終わったじゃん」

クレームを付けることにはめっぽう強くても、そっち系は弱いらしい。

「うん、さすがに気持ち悪くて・・・」

少しネットで調べてみることにした。

(No.633-2へ続く)

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[No.632-2]おねいちゃん

No.632-2

「せっかくの機会だから、連絡先交換しない?」
「LINEしてる?」

考えることもなく、返事はOKだ。

「じゃぁ・・・えっ・・・と・・・」
「それなら、こうすればいいよ」

けど、偉そうな割にはほとんど使ったことがない機能だ。

「えっ!すごい!」

スマホを借りて、“ふるふる”してみた。

「これでOKだと思う」
「へぇ~」

よくよく考えればこれが始めてかもしれない。
親戚の電話番号が入ることが・・・。

「これでいつでも会えるね」
「今度、“いとこ会”しようよ!」

通夜にも関わらず、控え室は賑やかだった。
変に湿っぽくなるよりは良い。

(おばさんも、聞いてくれてたら嬉しいな・・・)

人とのつながりは不思議だ。
僕はまた、おねいちゃんとつながることができた。
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[No.632-1]おねいちゃん

No.632-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
それこそ何十年ぶりかの再会だった。

「小学生・・・以来だよね?」
「多分、そうだと思う」

記憶は定かではない。
ただ、残る写真に中学生以降に写した写真はない。

「変わったでしょ?」
「それはお互いさま」

親戚のおばさんが亡くなった。
今日はその通夜だった。

「こんな形でみんなと再会するとはね」

歳を重ねるごとに自然に足が遠のいて行った。

「仕方ないでしょ?簡単に会える距離でもないし」

遠く離れていることを理由にしていたと思う。
その気になれば何とでもなったはずなのに。

「随分とお世話になったな・・・」

正確に言えば、随分可愛がってもらった。
おばさんだけでなく、おじさんも、そして目の前の・・・。

「ここに来るのが楽しみだったし」

歳が離れていたこともあり、弟のように可愛がってくれた。

(No.632-2へ続く)

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ホタル通信 No.255

小説の舞台裏やエピソード、作者の想いを紹介します。

小説名:No.210 記事を読む理由
実話度:★★★★☆(80%)
語り手:男性

自分で言うのも変ですが、“冬のホタル”らしい作品ですね。
何が何だかよく分からない内容だと思います。

オブラートに包まずに書けば、小説上の僕が記事を読む理由は「新聞に自殺の記事」が掲載されてないかを確認するためでした。
「えっー!?」と思いますよね?でも、本当のことなんです。
自殺した人が全員新聞に掲載されるとは思っていませんが時々、掲載されていることはあります。
だからこそ、市内の記事・・・つまりローカルの話題が掲載されている面を読むんです。

この小説は他の小説へ直接的にリンクしないものの、“死”をテーマに取り上げた話の“ひとつ”です。
更に言えば、時系列で考えると、最後の小説とも言えます。
ある女性が死のうと試みたこと、それを前して僕に連絡をして来たこと、そして現場に行ったこと・・・。
これ以外にもこの一連の流れに相当する小説は数多く作っています。

何度が書いていますが、冬のホタルは彼女の存在があったからこそ生まれたようなものです。
様々な逆境の中にある彼女を世間の皆さんに知ってもらいたかったのかもしれませんね。
T255
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[No.631-2]夏の終わり

No.631-2

「まさか、うちに居るとは考えてもみなかったよ」
「でしょ~!私もそうだったもん!」

ただ、彼女から話を聞いていたせいか、免疫は出来ていた。

「で、結局なんの幼虫なの?」

心当たりはある。
小さい頃はよく虫を取ったし、育ててもいた。

「残念ながら、カナブン系だろうな」

見た目の上では、カブトムシの可能性もないわけじゃない。
だからこそあえて調べてみた。

「そうなの!?」
「特徴からすれば、多分そうだと思うよ」

期待していなかったと言えば嘘になる。
カブトムシの幼虫なら育てたかったからだ。

「それなら・・・その幼虫はどうしたの?」

とは言え、殺したり捨てたりするには忍びない。

「それなりの容器があったので・・・」
「まさか・・・育てるの!?」

けど、手厚く育てるつもりは毛頭ない。

「たださぁ・・・なんていうか・・・」

またベランダに出る楽しみが出来た。
S631
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[No.631-1]夏の終わり

No.631-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
全く予期していなかったわけじゃない。
けど、それなりにビックリはした。

「・・・以前、話してくれたよね?」

早速、昨日の出来事を話した。

「うん・・・確か去年の今頃だったよね?」

彼女とは家庭菜園仲間だ。
共に僅かなベランダながら、そこで楽しんでいる。

「・・・ということは・・・出たんだ!?」
「うん・・・出た」

話の一部だけ聞かれると、ホラー話と勘違いされそうだ。

「土を捨てようとして掘っていたら・・・」

ペットボトルを切って作った即席のシャベルだった。
それで土をすくっていた。

「丁度、頭が見えて」

すくう所を一歩間違えば、それこそ“ホラー”になっていた。

「ん!?って感じで、慎重に手で掘ってみたら・・・」
「居たんだ・・・?」

体調は2cmくらいはあっただろうか?
見覚えのあるやつがそこに居た。

(No.631-2へ続く)

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[No.630-2]ふるさと

No.630-2

「・・・違う気持ち?」

5年も経てば家も、ましてや親も歳を取る。

「当たり前だけど、僕も・・・ね」

彼女の言うとおり、今まで意識し過ぎていたのかもしれない。
それが歳を重ねるに連れて薄れ始めている。

「あらためて、ふるさとっていいなぁ・・・なんて」

不思議と今までこんな気持ちになったことはない。

「あなたが言う通り、みんな歳を取ったからじゃない?」

前よりも老けた親を見た時、“ふるさと”を強く意識した。

「実家を離れるのが心寂しかったよ」

結局、姉だけではなく、弟も駆け付けてくれた。
久しぶりに家族が揃った。

「良かったじゃん」
「まぁ・・・ね」

とは言え、僕の居場所がもうないのは理解している。
僕は“お客様”として扱われているからだ。

「でも、また今度行ってみようと思う」

もうひとり、客人を連れて。
S630
(No.630完)
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[No.630-1]ふるさと

No.630-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
「ねぇ、昨日はどうだった?」

こう聞かれるのは分かっていた。

「まぁ・・・特には・・・」
「特に・・・って、だって久しぶりの帰省だったんでしょ?」

久しぶりどころか、かなり久しぶりだった。
それもあってか、姉も実家に顔を出してくれた。

「そうだね・・・姉とは5年振りに顔を合わせたよ」
「えっ!そうなの?・・・サラッと言うわね」

理由があって、実家に寄り付かなかったわけじゃない。
きっかけと言うか、いつもタイミングを逸していた。

「きっかけ?実家に帰るのに遠慮なんて要らないでしょ?」
「そりゃそうなんだけど・・・」

自分は自分で生活の基盤も出来ている。
あえて、肩身の狭い実家に行く必要もない。

「前にも話したけど、そこに自分の居場所はないからね」

高校の卒業と共に実家を離れた。
そして実家とは遠く離れた場所で生活を始めた。

「それは私も同じだけど、意識し過ぎじゃない?」
「・・・かもしれないけど」

ただ、今回の帰省では今までと違った気持ちが芽生えた。

(No.630-2へ続く)

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ホタル通信 No.254

小説の舞台裏やエピソード、作者の想いを紹介します。

小説名:No.307  蜘蛛の糸
実話度:★★☆☆☆(40%)
語り手:女性

蜘蛛の糸が自転車に張られていたことは事実ですが、二度も張られたことは創作です。

蜘蛛の糸そのものだけでは小説になりにくいですが、そこに場所が加わると話が大きく展開してきます。
今回は自転車という思わぬ場所に糸が張られていたことが小説を書くきっかけです。いつも通り、自転車で会社に行こうとしたら・・・と言う訳です。

別に蜘蛛がかわいいとは思いませんが、けなげに糸を張っている姿を見ると、少なくとも“殺意”は芽生えません。
蜘蛛って決して害虫ではないわけですし、逆に特に家の中にいる蜘蛛って大げさですが、“家の守り神”的な存在です。
ですから、多少気持ち悪くても「殺しちゃいけない」という心理が家の外でも働いたと思っています。

冒頭記載した通り、小説では糸を二度張られていますが、事実ではありません。
どうして、二度目の展開にしたかと言えば、少しだけ罪悪感があったからです。つまり、折角の居場所を奪ってしまったことに対する“お詫び”みたいなものでしょうか・・・。

最後に話は少しそれますが、似たテーマで言えば時期的に“セミ”の季節ですね。それも、これから・・・ではなく、命が終えるほうです。ここ数年、彼らも小説のテーマを私に与えてくれてるんですよ。
S254
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[No.629-2]ラジコンカー

No.629-2

「とにかく良かったじゃん!」
「そうなんだけど・・・」

当然、外でラジコンカーを走らせた。
家の中では無理なことに加えて、もうひとつ別の理由もあった。

「お披露目というか、見せびらかす意味で・・・でしょ?」
「・・・正解」

既に持っていた近所の子らの中に、意気揚々と飛び込んだ。
そして、初走行をさせた。

「そしたら、あることに気付いて」

僕のラジコンカーはどうやら左しか曲がらない。

「壊れてたの?」
「その瞬間は、そう思ったんだけど」

よく考えれば、操作するコントローラは押しボタンがひとつしかない。
つまり、ボタンを押せば曲がる仕組みだ。

「で、みんなのコントローラを見たら」

僕と全然違った作りになっていた。
もちろん、左右どちらにも曲がれるし、バックもする。

「結構、トラウマになったよ」
「・・・かもね」

ラジコンカーを見るたびに今でもそんなことを思い出してしまう。
けど、今となっては笑い話のひとつになっている。S629
(No.629完)
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[No.629-1]ラジコンカー

No.629-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
「どうしたの?・・・ジッと見つめちゃって」
「あぁ・・・うん・・・ほら、これ・・・」

それをひとつ手に取った。

「クルマのおもちゃ?」
「まぁ、そうだね」

女子からすればそんな程度の認識だろう。

「正確にはラジコンカーだけど」

ここの通りは、そんな物で溢れている。

「そんな趣味あったっけ?」
「いや、そうじゃないんだけど・・・」

小さい頃、ラジコンカーは憧れのおもちゃだった。
憧れだけに子供には手が出ない金額でもあった。

「今じゃ、ほら・・・」

この程度の物なら、かなり気軽に買える。
今の自分なら2、3台でも楽に買える金額だ 。

「でも、金額のことじゃなくて・・・」

手に取った理由は別のところにあった。

「小学3年生・・・だったかな?」

いきさつは覚えていないけど、ラジコンカーを買ってもらえた。

(No.629-2へ続く)

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