[No.635-1]忘れられない夜
No.635-1
登場人物女性=牽引役
男性=相手
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「今日は、楽しかったよな!」
付き合い始めて間もない彼をドライブに誘った。
ある目的のために・・・。
「うん!」
もちろん彼は本当の目的を知らない。
「すっかり、遅くなっちゃったな」
誤解されるかもしれないが、それも計画のうちだ。
逆に遅くならないと困る。
特に日が長い夏は・・・。
「平気だから、安全運転でお願いね」
「もちろんだよ!」
ハンドルを握り直す手が頼もしくもある。
「それにしても夕焼け空が綺麗だよね」
「・・・だな」
後、1時間もすれば目的の場所だ。
その場所を通り過ぎる頃は、辺りは真っ暗になっているだろう。
それまでは“それらしく”会話をしていればいい。
そろそろ目的の場所だ。
何度も通り過ぎているから暗くても分かる。
「あれ・・・何かしら?」
「・・・ん?どうした?」
知っているのにわざとらしく前方を指差した。
「ほら、あの光・・・」
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