[No.625-1]歴史の時間
No.625-1
登場人物
男性=牽引役 女性=相手
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「思い出すなぁ・・・」
テレビで戦国武将の特集をしている。
「戦国生まれだっけ?」
面倒なのでスルーすることにした。
彼女もこれくらいなら心得ているからだ。
「ほら、僕の苗字・・・」
「それが?」
「戦国武将じゃないけど」
この言葉で彼女が気付いたようだ。
「確か・・・平安時代とかだっけ?」
「そうだね、それくらい」
この際、正確な時代は必要ない。
「小学生って、そんな程度でザワつくだろ?」
“そんな”に該当する説明はまだしていない。
「“同じ名前!”ってわけね」
でも、話は通じているようだ。
「言わば、“歴史あるある”ね」
教科書を開いた時点で、何となく皆がソワソワしている。
もちろん、この僕も同じだ。
「・・・で、先生がそれを読み上げると」
待ち構えていたかのように、誰もが“キター!”となる。
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