[No.624-1]ネコの親子
No.624-1
登場人物
女性=牽引役 女性=相手
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多少、離れていてもそれが何なのか分かる。
だからこそ、足を止めた。
「どうしたの?急に立ち止まって」
「ほら・・・あれ・・・」
友人はまだ気付いていないらしい。
それもそのはずだ。
友人の目線はスマホにあったからだ。
「・・・ん?イヌ・・・ネコ・・・?」
「ネコよ、それも親子のね」
小川沿いの小道でネコの親子がじゃれついている。
二匹とも同じ毛並みだ。
「なかなか見られない光景ね」
確かにそう言える。
テレビならまだしも、生でしかも野生だ。
「もっと近くで見てみない?」
「ちょ、ちょっと!」
歩き始めようとしていた友人の腕を反射的につかんだ。
「飼いネコだって、外では逃げちゃうくらいなんだから」
よほど人に馴れていない限り、逃げられるのがオチだ。
ましてや子供連れだ。
「・・・そうね、子供がいるもんね」
普段よりも警戒心は強くなっているはずだ。
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