[No.622-2]気になる視線
No.622-2
それから数ヵ月した頃から、彼女らは姿を見せなくなった。
「普通に考えたら・・・振り向いてもらえなくて」
「諦めたパターンでしょ?」
上から目線だけど、そう考えるのが妥当だった。
「でもな、見る以外の行為は何もなかったんだよ?」
「・・・それが乙女心じゃない?」
確かにそうと言えなくもない。
ただ、少なくても彼女はそんなタイプじゃない。
「それに他の二人だって」
決して大人しいタイプではなかった。
「結局あれは何だったのかな?って・・・」
「今でも思い出すことがある」
好意を寄せられていたのか、それとも・・・。
「・・・それとも?」
中学生と言えば女子の方がいろいろな面で大人な時期だ。
「スッキリしない出来事も、青春の1ページだろ?」
一応、強がってみる。
彼女らの行動に応えるのがこわかったことを隠すために。
(No.622完)
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