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[No.617-2]ある猫の物語

No.617-2

「まっ・・・彼らには関係なさそうだけど」

そう言うと、2mほど先に居る野良猫を指差した。
陽気に誘われたのだろうか?
数匹が寄り添うように寝ている。

「・・・みたいだね」

彼らには彼らの時間が流れていた。

「あなた達も、ちょっとは見習いなさいよ!」

友人がその猫たちに話しかけた。
でも、目だった反応はない。

「野良なんだから聞く耳もってないってば・・・」
「・・・それもそうね」

世間の盛り上がりとは対照的な風景だった。

「でも、この場所も最高よね」

単なる公園の片隅にも、変わらぬ命が息づいている。
S617
(No.617完)
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