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[No.616-2]雨上がりのメリーゴーランド

No.616-2

「えっ!?どこ・・・あっ・・・」

流木に混じって、一際目立つ物が流れてきた。

「傘・・・よね?」

ピンク色の傘が流れてきた。
それも逆さまに開いた状態で・・・だ。

「思い出さないか?」

彼の言葉を聞く前に、もうピンと来ていた。
昔、彼と乗ったメリーゴーランドに似てる。

「・・・アレだよね?」

普通に考えれば似ても似つかない代物だ。
でも今はそれにしか見えない。

「また乗れるかな?」
「バカ言うな・・・もう無理だよ」
「・・・だよね」

そのために駅に向かっているのだから。
だからだろうか・・・これを最後に会話が途切れてしまった。

『でも、忘れないさ・・・ずっと』

彼の最後のセリフだった。
電車が行った後に、Lineにそうメッセージが届いた。
あの写真と共に。
S616
(No.616完)
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