[No.614-2]掃除のおじさん
No.614-2
「居そうでいないよ、そんな人」
その言葉通りかもしれない。
見られていなかったら、手抜きする人は多いだろう。
「・・・そうだな」
「仕事って、パフォーマンスもあるわけじゃない?」
「いかにも仕事してます!って」
彼女の言葉がグサリと胸に突き刺さる。
まるで僕のことを言っているかのようだった。
「それは私も同じ」
「評価ばかり気にしてる」
もちろん、僕も彼女もそればかりじゃない。
ただ、往々にしてそんなことが多い。
「だから、掃除のおじさん・・・本当にすごいなって」
置かれている環境は違うけれど。
「自分がそうなら同じことできる自信がないや・・・」
「・・・それは私もよ、だからね・・・」
そう言葉を続けると突然、おじさんに歩み寄った。
「お疲れ様です、いつもありがとう!」
| 固定リンク | 0
「(025)小説No.601~625」カテゴリの記事
- [No.625-2]歴史の時間(2015.08.01)
- [No.625-1]歴史の時間(2015.07.31)
- [No.624-2]ネコの親子(2015.07.30)
- [No.624-1]ネコの親子(2015.07.29)
- [No.623-2]ダイエットの教訓(2015.07.24)
コメント