« [No.613-1]雨男の正体 | トップページ | ホタル通信 No.246 »

[No.613-2]雨男の正体

No.613-2

「それで、研究の成果は?」
「そうねぇ・・・」

正直、彼女の言うことを信じてはいない。
けど、絶対に有り得ないかと言われると、強くは否定できない。

「なにか分かった?」

単なる都市伝説やオカルトでは片付けない。
あくまでも科学的にアプローチするところは評価できる。

「成分の殆どが“やさしさ”で構成されてることが分かったわ」
「・・・なんだよ、それ・・・」
「だから、雨男の正体よ」

意味がよく理解できない。

(・・・正体?)

「科学的にアプローチしてみたわ」
「雨男さんは、ほとんどやさしさで出来てるみたい」

「・・・ちょ、ちょっと待ってよ!?」

急な話の展開に戸惑っている自分がいる。

「じゃあ、残りの成分は何なんだよ?」

とりあえず、話の腰を折ってみた。

「私のことが好きみたい」

さすが研究者だ・・・データに誤りはない。
S613
(No.613完)
読み終えたら、クリックして頂けると、励みになります。
ブログランキングへ
 ブログランキングへ にほんブログ村 小説ブログ 短編小説へ web拍手 by FC2

| |

« [No.613-1]雨男の正体 | トップページ | ホタル通信 No.246 »

(025)小説No.601~625」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: [No.613-2]雨男の正体:

« [No.613-1]雨男の正体 | トップページ | ホタル通信 No.246 »