[No.613-2]雨男の正体
No.613-2
「それで、研究の成果は?」
「そうねぇ・・・」
正直、彼女の言うことを信じてはいない。
けど、絶対に有り得ないかと言われると、強くは否定できない。
「なにか分かった?」
単なる都市伝説やオカルトでは片付けない。
あくまでも科学的にアプローチするところは評価できる。
「成分の殆どが“やさしさ”で構成されてることが分かったわ」
「・・・なんだよ、それ・・・」
「だから、雨男の正体よ」
意味がよく理解できない。
(・・・正体?)
「科学的にアプローチしてみたわ」
「雨男さんは、ほとんどやさしさで出来てるみたい」
「・・・ちょ、ちょっと待ってよ!?」
急な話の展開に戸惑っている自分がいる。
「じゃあ、残りの成分は何なんだよ?」
とりあえず、話の腰を折ってみた。
「私のことが好きみたい」
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