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[No.609-1]超前向き

No.609-1

登場人物
女性=牽引役  女性=相手
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「昨日は本当にまいったわね・・・」

朝からそのセリフをあちらこちらで耳にする。
無理もないだろう・・・あれだけ電車が止まれば。

「・・・の割には、やけに涼しい顔じゃない?」
「そうかな?」

改札を通った後に、事態に気付いた。
確かに私も、それに巻き込まれた。

「私なんか、3時間も足止めされて」

ホームは人で溢れていた。
丁度、大学の下校時間に重なったことも影響した。

「女子会には行けなくなるし・・・」
「最悪の日だったわ」

ホームでは怒号が飛び交っていた。
そのほとんどが、恐らく大学の女子だっただろう。

「私はそうでもなかったわよ」
「彼にでも迎えに来てもらったわけ?」
「・・・居ないの知ってるよね?」

すぐに異変に気付いて、あわてて改札へUターンした。

「でも、他に交通手段ってあった?」

自宅に帰るには、その電車しかない。

「ううん、だから歩いて帰ったの」

(No.609-2へ続く)

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