[No.602-2]チャレンジャー
No.602-2
「分からないわけでもないけどね」
いわゆる“M”ではない。
言い換えるなら、修業的な感覚だ。
「苦しさそのものより・・・」
「それを乗り越えた時の達成感?」
「・・・だな」
そのひとつがフルマラソンへのチャレンジだ。
「それなら、少しマイナーな大会から始めたら?」
言い訳がましいが、応募する時点からそれが始まっている。
「簡単に出られないことも、その苦しさのひとつさ!」
「ふ~ん・・・そんなもんなんだ?」
ただ、当選したらしたで、正直こわい。
フルマラソンどころか、学生以来、長距離を走ったことがない。
いや・・・長距離どころか、日常生活では“走る”ことすらない。
「と、とにかくチャレンジあるのみ!」
「だから・・・なんだ」
「ん?・・・なにがだよ?」
ニヤニヤ顔が、鼻に付く。
「私とつきあってるのも、そのチャレンジのひとつ?」
「そ、それは・・・」
| 固定リンク | 0
「(025)小説No.601~625」カテゴリの記事
- [No.625-2]歴史の時間(2015.08.01)
- [No.625-1]歴史の時間(2015.07.31)
- [No.624-2]ネコの親子(2015.07.30)
- [No.624-1]ネコの親子(2015.07.29)
- [No.623-2]ダイエットの教訓(2015.07.24)
コメント