[No.601-2]大切なものはなにか
No.601-2
「そうだよ!」
・・・とは言え、見た目だけ硬派なのが本音だ。
「まぁ、とにかく気を付けてね」
「・・・なにをだよ?」
「繊細なだけに、ストレスとか溜めないでね!ってこと」
バレているというか、理解されているというか・・・。
「あ、ありがとう・・・」
「だって、打たれ弱いじゃない?」
「相変わらず、ハッキリ言うね」
でもそれは、毒舌交じりの彼女なりのやさしさだ。
「とにかく、心も身体も気をつけなきゃね!」
確かにそうだ。
振り返って見れば、そう思えることも多い。
頑張り過ぎて、心身ともにしんどい時期があった。
「うん・・・そ、そうだよな!」
「自分をねぎらうことも忘れずにね」
「それに、かつてチャップリンも言・・・」
周囲の渦に巻き込まれ、自分じゃ居られないときがある。
そんな時、彼女から聞いたその言葉を思い出している。
「ありがとう・・・なにが大切か、もうみつけたから」
(No.601完)
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