[No.600-1]ふたりの行方
No.600-1
登場人物男性=牽引役
女性=相手
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二羽のハトが仲良く地面をついばんでいる。
でも、目があってしまったせいか、空高く飛んで行った。
(わるいことしたな・・・)
そのハトを目で追う・・・ある想いを巡らせながら。
「部屋、借りようか?」
この言葉に一点の曇りがないわけじゃない。
けど、そう言わせるものを今の僕は持っている。
「・・・どうしよう」
彼女にとっても決して悪い話じゃないはずだ。
ただ、彼女も僕と同じだ。
白黒決められないものを持っている。
「マンスリーマンションなら・・・」
敷金や礼金は不要なはずだ。
賃貸より、煩わしさ感は少ない。
「うちも、そう考えてはいるんやけど」
「踏ん切りが付かない?」
「・・・せやね」
恐らく“その後”を心配しているのだろう。
確かに僕だって、いつまでも部屋を借り続けることはできない。
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