« [No.599-1]お手入れ | トップページ | ホタル通信 No.239 »

[No.599-2]お手入れ

No.599-2

「でも、なんで急に?」
「パンクを修理したついでに、ちょっと拭いてみたの」
「・・・修理できるの!?」

友人の驚きはさておき、拭いた箇所が輝きを取り戻した。

「そりゃ、買った当初とまではいかないけど」
「それでも、きれいになったの」

単なる土埃ではなく、油汚れに近い。

「で、きれいにし始めたら・・・」
「なるほどね」

結果、5年分の垢を落とすことになった。

「そしたら、急に愛着がわいてきて」

それまでは、どちらかと言うと嫌いだった。
購入当初から、何となく調子が良くなかったからだ。

「今では、ほら・・・」

痛んでいたグリップやサドル、ブレーキまでも取り替えた。

「私はあなたに愛着がわいてきたわ」
S599
(No.599完)
読み終えたら、クリックして頂けると、励みになります。
ブログランキングへ ブログランキングへ にほんブログ村 小説ブログ 短編小説へ web拍手 by FC2

| |

« [No.599-1]お手入れ | トップページ | ホタル通信 No.239 »

(024)小説No.576~600」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: [No.599-2]お手入れ:

« [No.599-1]お手入れ | トップページ | ホタル通信 No.239 »