[No.592-2]妄想の縮図
No.592-2
「多分、それ」
その一匹が、オスかメスかは別にしても・・・だ。
「逆に一匹だけで行動している場合もある」
集団に馴染めないのか、爪弾きにされているのかは知る由も無い。
「・・・なるほど、こんな話なんだ」
「なぜだか、一匹だけ白鷺も居るんだよね」
どの世界にもいる“異端児”といったところだろうか?
「なかなか、できた話じゃない」
「そうでしょ~!」
小川を眺めながら、いつもそんなことを考えていた。
「確か、会社の近くだったわね?」
「多分・・・歩いて、5分もかからないと思う」
珍しく、同僚が興味を示している。
「お昼休みに行ってみる?」
「そうね、たまには外でお弁当食べるのもいいかもしれない」
小川のほとりは、いくつかベンチらしきものもあった。
お弁当を食べるくらいなら困らない。
「でも、色々と思い出しちゃうかも」
「・・・私もよ」
(No.592完)
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