[No.590-2]僕らのマネージャー
No.590-2
「・・・なにさぁ、ニヤニヤしちゃって」
僕の表情を見て、からんできた。
「ごめん!ごめん!ピッタリな仕事だと思ったから」
彼女はサッカー部のマネージャーをしていた。
それもあって、当時から、何かと世話好きだった。
「そうかな?」
表情からすれば謙遜ではなく、本気でそう思っているらしい。
「それはそうと、今日は何の用事?」
呼び出されたにもかかわらず、目的を知らされていない。
「あれ?言ってなかった?」
「私、明日、結婚するの」
「えっ!?そ、そうなの?」
突然の展開に、驚きを隠せなかった。
「もしかして、あいつと?」
「うん・・・」
(そっか・・・付き合いは続いてたんだ)
「だから・・・今日でみんなのマネージャーも終わり!」
全国に散った当時の部員達とは、今でも交流がある。
交流が途切れなかったその訳を今、知った。
(No.590完)
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