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[No.586-2]巨人と私

No.586-2

「そんなこともあるんじゃない?」

珍しく友人が理解をしめしてくれた。

「なにか心境の変化でも?それとも悩みごと?」
「えっ!?・・・ど、どうだろう」

あらためて聞かれて気付いた。
特に思い当たるものがない。

「ごめん・・・自分でもよくわからない」
「だ・か・ら、そんなこともあるって言ったのよ」

もしかしたら、潜在的に不安を抱えているのかもしれない。

(それに気付いていないだけなんだろうか?)

「まっ、あまり気にしないことね」

今日の友人はやけにやさしい。

「持つべきものは友ね!」
「ところで、来週、引越しだったわね?」

お礼と言うわけじゃないけど、手伝いのひとつでもかって出たい。

「ありがとう、手伝ってくれるの?」
「もちろんよ!」
「じゃ、引越し先で待ち合わせね」

そう言うと、あの巨大なマンションを指差した。
S586
(No.586完)
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