[No.586-1]巨人と私
No.586-1
登場人物女性=牽引役
女性=相手
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「・・・なんか、鼻に付くんだよね」
言葉の使い方は、決して正しいとは言えない。
「えっ!私のこと!?」
「ごめん、そうじゃなくて・・・あれよ、あれ・・・」
岐路に着くために、同僚と駐輪場に向かう。
その道すがら、巨大なマンションがふたつ左に見える。
「マンション・・・?」
「そう!」
もちろん日中も見えてはいる。
それが夜になると、窓の明かりと共にライトアップもされる。
・・・いやおうなしに、その存在感を感じる。
「別にマンションも、住んでる人も悪くないけど」
「なんか、威圧的で・・・」
単なる妬みだけなのかもしれない。
「まぁ、確かに威圧的ではあるけれど」
まれに見る巨大さだ。
そのマンションから見下されているように感じてしまう。
「だから、鼻に付くってことね?」
「・・・被害妄想って分かってはいるけど」
なぜだか、素直にそれを見ることができない。
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